ポリアミド(PA6・PA66)の特徴と用途、耐熱温度を徹底解説

ポリアミド(PA6・PA66)の特徴と用途、耐熱温度を徹底解説

ポリアミド(PA、ナイロン)は、軽量でありながら強度・耐摩耗性に優れる代表的なエンジニアプラスチックです。特にPA6(ナイロン6)とPA66(ナイロン66)は、自動車部品や産業機械部品など幅広い分野で利用されています。本記事では、ポリアミドの特徴・用途・耐熱温度をわかりやすく解説し、素材選定で失敗しないための知識をまとめます。

目次

ポリアミドとは?

ポリアミド(Polyamide)は、一般的に「ナイロン」と呼ばれる熱可塑性樹脂で、アミド結合を持つ高分子化合物です。1930年代にデュポン社が開発したナイロン6,6が最初であり、その後ナイロン6など多様な種類が実用化されました。軽量性・強度・耐摩耗性などの特性を活かし、金属代替としても利用が進んでいます。

PA6とPA66の違い

PA6とPA66は、いずれも代表的なポリアミドですが、構造の違いにより物性に差があります。

項目 PA6 PA66
構造 カプロラクタムを原料とした直鎖構造 ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸からなる縮合型
吸水性 やや高い PA6より低い
耐熱性 連続使用温度 90〜100℃ 連続使用温度 110〜120℃
機械強度 柔軟性が高い 剛性が高く寸法安定性に優れる

PA66はより高温環境や高強度を求められる部品に適しています。吸水による寸法変化が少ない点も利点です。ポリアミドと他素材の比較については、エンジニアプラスチック比較の解説で詳しく紹介しています。

ポリアミドの特徴

強度と耐摩耗性

ポリアミドは金属に匹敵する高い引張強度耐摩耗性を持ちます。そのためギア、ベアリング、摺動部品に最適です。特に自動車のエンジン周辺部品では金属代替として活躍します。

耐熱性

PA6は連続使用温度約100℃、PA66は約120℃まで安定して使用可能です。さらに耐熱改良グレードでは150℃以上でも使用可能です。耐熱性向上に関しては耐熱性プラスチックの解説で詳しく紹介しています。

耐薬品性

多くの油類・潤滑剤・アルカリには耐性を示しますが、強酸には弱い傾向があります。耐薬品性については、フッ素樹脂などと比較した資料をフッ素樹脂の耐薬品性に関する記事で詳しく解説しています。

用途

  • 自動車部品(インテークマニホールド、ギア、ペダル、燃料システム部品)
  • 電気・電子部品(コネクタ、絶縁部品)
  • 産業機械部品(ベアリング、スプロケット)
  • 日用品(衣料繊維、フィルム、ロープ)

フィリールマテリアルの取り扱い材料

フィリールマテリアルでは、ポリアミドをはじめ、フッ素樹脂材料(PCTFE、PTFE、PFA、ETFEなど)を幅広く取り扱っています。これらの樹脂は、耐熱性・耐薬品性・絶縁性に優れ、半導体・化学・医療などの分野で高い評価を得ています。例えばPCTFEは低温環境でも寸法安定性を保つ特性があり、冷却システム部品に採用されています。PTFEは最も代表的なフッ素樹脂で、非粘着性と耐薬品性に優れるため、シール材やライニング材として利用されています。さらにPFAやETFEは透明性と耐候性を兼ね備え、化学プラント配管や電線被覆に広く利用されています。
材料調達においては「安定供給」「品質保証」「トレーサビリティ」を重視しており、長期的な信頼関係構築が可能です。

ポリアミドの耐熱温度に関するJIS規格

ポリアミドの耐熱性や機械的特性は、日本産業規格(JIS)において規定されています。例えば、JIS K 6930「ポリアミド樹脂試験方法」では、熱変形温度や引張強度の評価方法が定められています。詳細はJIS公式サイトをご参照ください。

よくある質問(FAQ)

ポリアミド(PA6・PA66)の違いは何ですか?

PA6は柔軟性が高く吸水性がありますが、耐熱温度は約100℃です。一方PA66は剛性が高く吸水性が低く、耐熱温度は約120℃で高温環境向けに適しています。詳細な比較については、エンジニアプラスチック比較の解説で詳しく紹介しています。

ポリアミドはどのような用途に向いていますか?

自動車部品のギアやペダル、電子部品のコネクタ、産業機械のベアリングやスプロケットなどに適しています。軽量かつ耐摩耗性が高いため金属代替としても活用可能です。具体的な活用シーンは、ポリアミドの用途解説記事で詳しく紹介しています(参考: Fi Real Material)。

ポリアミドの耐熱性や耐薬品性はどの程度ですか?

PA6は連続使用温度約100℃、PA66は約120℃で安定使用できます。また、多くの油類・アルカリには耐性がありますが、強酸には弱いです。耐熱性や耐薬品性の詳細は、耐熱性プラスチックの解説で詳しく紹介しています(参考: Fi Real Material)。

まとめ

ポリアミド(PA6・PA66)は、軽量性と強度、耐熱性を兼ね備えた優れたエンジニアプラスチックです。自動車・電気電子・産業機械など幅広い分野で活用され、金属代替としても重要な役割を担っています。素材選定では吸水性や耐熱温度を考慮することが不可欠です。本記事を通じてポリアミドの理解が深まり、最適な材料選びに役立つことを願っています。

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