エンジニアプラスチックの種類一覧|特性・用途別の完全ガイド

エンジニアプラスチックは、機械部品や電子機器など幅広い分野で利用される高機能プラスチックです。この記事では、主要なエンジニアプラスチックの種類一覧をまとめ、それぞれの特性、用途、選定時の注意点を詳しく解説します。これにより、設計や材料選びでの失敗を防ぎ、最適な選択が可能になります。
目次

エンジニアプラスチックとは何か

エンジニアプラスチックは、耐熱性、耐摩耗性、強度などが一般的なプラスチックより優れている材料群です。具体的には、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などが含まれます。これらは機械構造部品や電子部品、精密機器などで広く使用されています。

代表的なエンジニアプラスチックの種類一覧

以下に、主要なエンジニアプラスチックを特性と用途ごとに一覧表で整理しました。

材料名 主な特性 代表的用途
ポリアミド(PA) 耐摩耗性、耐熱性、機械強度が高い ギア、ベアリング、ボルト・ナット
ポリカーボネート(PC) 耐衝撃性、透明性、耐熱性 電子機器筐体、光学部品、保護カバー
ポリフェニレンサルファイド(PPS) 耐熱性、耐薬品性、寸法安定性 自動車部品、電気・電子部品
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK) 耐熱性、耐摩耗性、高強度 医療機器、航空・宇宙部品
ポリプロピレン(PP) 耐薬品性、軽量、低吸水性 食品機器部品、化学機器

各材料の選定ポイント

エンジニアプラスチックを選定する際は、以下の点を重視します。

  • 使用温度範囲:長期耐熱性が必要か、瞬間的な耐熱で十分か。
  • 機械的強度:荷重がかかるギアや軸受に適するか。
  • 耐薬品性:使用環境に応じた化学的安定性。
  • 加工性:射出成形、切削加工など製造方法に適しているか。

耐熱性に優れたエンジニアプラスチック

耐熱性は設計上重要な指標です。以下の材料が高い耐熱性を示します。

  • PPS: 高温環境でも寸法安定性が高く、電気絶縁性も優れています。自動車や電子部品での使用例が多く、JISでも基準が定められています。
  • PEEK: 連続使用温度が250℃以上。航空・宇宙分野や医療機器での応用が可能です。
  • PA66: 高強度かつ耐熱性に優れるため、ギアや機械部品に多用されます。

耐摩耗性・耐衝撃性に優れた材料

機械部品で重要となるのが耐摩耗性や耐衝撃性です。

  • PA6/PA66: 摩耗に強く、潤滑条件下でのギアや軸受に適しています。
  • PC: 高い衝撃強度を持ち、透明性もあるため保護カバーや光学部品での使用が多いです。
  • POM: 優れた耐摩耗性と低摩擦特性があり、精密機械部品や歯車に最適です。

耐薬品性に優れた材料

化学薬品や溶剤に触れる環境では、耐薬品性が重要です。

  • PP: 多くの酸・アルカリに耐性があり、化学機器や食品機器で活用されます。
  • PPS: 強酸・強アルカリへの耐性が高く、電気部品や自動車部品に適しています。

よくある質問

エンジニアプラスチックとは一般的なプラスチックと何が違いますか?
エンジニアプラスチックは、耐熱性・耐摩耗性・強度などが一般的なプラスチックより優れた高機能素材です。機械部品や電子部品など高い性能が求められる用途で使用されます。
代表的なエンジニアプラスチックにはどのような種類がありますか?
主な種類としてポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン(PP)があります。それぞれ耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性など特性が異なり用途に応じて選ばれます。
エンジニアプラスチックを選定する際のポイントは何ですか?
選定時は、使用温度範囲、機械的強度、耐薬品性、加工性の4点を総合的に判断することが重要です。用途に応じて最適な材料を選ぶことで、設計や加工の失敗を防げます。
耐熱性や耐摩耗性に優れた材料の例は何ですか?
耐熱性ではPPSやPEEK、PA66が高く、耐摩耗性や耐衝撃性ではPA6/PA66、PC、POMが優れています。用途や環境に応じて、これらの特性を基に材料を選定することが推奨されます。

まとめ:エンジニアプラスチック選定のポイント

エンジニアプラスチックは特性ごとに用途が明確に分かれています。選定にあたっては耐熱性・耐摩耗性・耐薬品性・加工性を総合的に判断することが重要です。この記事で紹介したエンジニアプラスチックの種類一覧を活用すれば、設計・部品選定・加工における失敗を未然に防ぎ、最適な材料選択が可能になります。

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